【特別区】平均点を超える!教養試験の科目別学習法を完全解説

コラム

こんにちは!編集長です。

この記事では、特別区採用試験の教養試験で平均点を上回るための学習法を解説します。

教養試験は、数的処理などの受験生が苦手にする科目が多い試験です。

学習時間を掛け過ぎず、効率的に得点をアップするための学習方法を解説しているので、じっくり読んでくださいね。

 

【特別区】教養試験の出題科目

教養択一試験の出題科目と、各科目の出題数はこちらです。

一般知能分野
全28問必須回答
数的処理 数的推理 5
判断推理 6
空間把握 4
資料解釈 4
文章理解 現代文 5
英文 4
小計 28
一般知識分野
20問中12問選択回答
人文科学 世界史 1
日本史 1
地理 1
思想 1
自然科学 物理 2
化学 2
生物 2
地学 2
社会科学 法律 2
政治 1
経済 1
時事 4
 小計 20
合計出題数 48
合計回答数 40

一般知能分野の問題は、全28問を必ず回答しなければなりません。
苦手な人が多い数的処理は、19問と非常に大きなウェイトを占めています。

一般知識分野の問題は、全20問のうち12問を選択し回答します。
人文科学の科目は1問、自然科学の科目は2問の出題しかありません。

一般知識分野の問題は、科目ごとではなく問題ごとに回答するかどうか選択することができます。
たとえば、物理や法律は2問が出題されますが、いずれの科目も1問だけを選択できます。
解けそうな問題だけをつまみ食いできるわけです。

以上から、数的処理の学習と、選択科目の選び方が重要と言えます。

 

【特別区】教養試験の難易度

特別区の教養試験で出題される問題の難易度は、年度によってばらつきがありますが、おおむね基本的な問題です。
国家一般職や都庁に比べれば、易しい問題が多いです。

なかには、正答率の低い問題もいくつか出題されますが、他の受験生も解けないため大きな差はつきません。

したがって、参考書や過去問題集を中心に、基本的な演習を繰り返すことが重要です。

 

【特別区】教養試験の平均点とボーダーライン

特別区人事委員会は、教養試験の平均点などを公表していません。
ですが、予備校による長年の統計的なデータ分析から、教養試験の結果について次のように推測されています。

*足切りはなし
*近年の平均点は20点(5割)~24点(6割)と予想
*教養試験と専門試験の合計点が30点程度(4割以下)でも最終合格は可能(ただし、論文試験がほぼ満点の場合)

目標として、平均点上限の24点(6割)を得点できるよう学習をすすめましょう。
余裕があれば、プラスアルファを目指します。

 

【特別区】教養試験のおすすめ選択科目

一般知識分野の出題科目は多岐にわたり、科目ごとの出題数は1問や2問しかありません。
ところが、幸運なことに自分が解けそうな問題を選択して回答することができます。

したがって、学習する科目と捨てる科目を選ぶことが何より大切です。

おすすめの選択科目はこちらです。

①時事(4問):出題数が多い
②法律(2問)、政治(1問)、経済(1問):専門試験の内容と一部重複
③生物(2問)・地学(2問):初学者でも対策しやすい暗記科目

合計すると、選択回答に必要な12問になります。

時事は対策本を繰り返し読み込めば、比較的簡単に得点力が身につきます。
法律・政治・経済は専門試験の憲法・政治学・経済学と内容がかぶるので、効率的に学習できます。
生物・地学は出題数が若干多い上に、暗記科目のため初学者でも対策しやすい科目です。

反対に、物理・化学は範囲が広く対策に時間が掛かりすぎます。
特に高校時代に習ったことがない人は、避けた方が無難です。

世界史・日本史は暗記科目なので対策しやすいですが、出題数が1問なので効率がわるいです。
生物・地学は初学で、世界史・日本史の方が得意という人であれば、後者を選択するのもありかもしれません。
ただし、深入りして時間を掛け過ぎないよう注意しましょう。

選択回答に必要な12問を超えて、他の科目も学習するのはおすすめしません。
なぜなら、1科目の対策には膨大な時間が掛かる割に、出題数は1問程度だからです。

それよりは、配点の高い論文試験の対策をする方が効率的です。

教養試験は、満点ではなく平均点を上回ることを目指しましょう。

 

【特別区】教養試験の学習法

数的処理

数的処理は、特別区の教養試験において最重要科目です。

教養試験のうち半分を数的処理の問題が占めます。
難易度も比較的高めです。

数的処理は、数的推理・判断推理・空間把握・資料解釈からなり、それぞれに特徴があります。

数的推理

数的推理は苦手な人が多い科目です。
反対に、得意だという人もあまりいません。

出題数も多いので、教養試験全体の足を引っ張らない程度に基本問題の対策を徹底しましょう。

特別区の教養試験は過去問と似たような問題が出ることが多いので、過去問演習が極めて効果的です。
問題集の基本問題を何度も解きましょう。
大体5周くらいが目安です。

判断推理

判断推理は文系の受験生にとって得点原になりえます。

ただし、対策に深入りは禁物です。
なぜなら、応用問題でも時間を掛ければ解けてしまうことが多いからです。
1問解くのに10分掛かっていては、他の簡単な問題を取りこぼしてしまいます。

学習するときは、応用問題までじっくり取り組むのはおすすめしません。
数的推理と同様に、基本問題を繰り返し解いてスピードを身に付けることが大切です。

なお、平成30年度~令和4年度の判断推理は、「命題」「試合」「暗号」が超頻出テーマです。
頻出テーマは確実に対策しておきましょう。

空間把握

数的推理と同様に、空間把握は苦手な人が多い科目です。
どれだけ対策に時間を掛けても、結局1問も解けない人もいます。

特に苦手であれば、最初から捨て科目にするのも仕方ありません。

できれば、基本問題だけ学習するほか、頻出テーマの「軌跡」は重点的に対策しておくのがおすすめです。

いずれにしても、あまり対策に時間を掛け過ぎないようにしましょう。

資料解釈

数的処理や空間把握が苦手な人は、資料解釈で確実に得点する必要があります。

特別区の資料解釈は、過去問から数値を変えただけの似たような問題が出題されることがあります。
過去問演習を繰り返しましょう。

ただし、細かい計算で時間を取られやすいので試験の後半で回答するなど、どのような流れで解くかシミュレーションしておくことが大事です。

文章理解

現代文・英文ともに、あまり難しい問題ではありません。
ぜひ、満点を目指して頑張りましょう。

1週間に1回程度、10問くらいをまとめて解くのがおすすめです。
解き方を体に染み込ませます。

苦手な人は、毎日コツコツと継続して取り組みましょう。

文章理解はスポーツと似ているところがあります。
急激に得点力が上がることはなく、毎日の積み重ねで少しずつ力がついていく。
そして、勉強しない期間が続くと、振り出しにもどってしまいます。

短期間でかたをつけようとせず、「毎日1時間の勉強を半年続ければ十分」と楽な気持ちでいきましょう。

人文科学・自然科学

深入り禁物の科目です。
出題範囲が広い割に、出題数が少ないためコストパフォーマンスがわるい科目です。

人文科学や自然科学は覚える知識が多く、早く対策しなければと焦るかもしれませんが、全て完ぺきに対策するのは不可能です。

学習しやすい暗記科目で、なおかつ出題数が若干多い生物・地学を選択して対策するのがおすすめです。
その他の科目は捨てて構いません。

かなり余裕があれば、同じく暗記科目の世界史・日本史を追加で学習するのもありです。

生物・地学や世界史・日本史の対策は、過去問演習にとどめ、手を広げ過ぎないように注意しましょう。

社会科学

社会科学は、特別区の教養試験において重要科目です。
出題数が4問と多く、かつ得点源になりやすいからです。

社会科学は、法律・経済・政治に分かれます。

法律

法律は、憲法と法学からの出題です。
基本問題が多く、5肢択一式の単純正誤が中心です。

憲法は、専門試験ではあまり出題されない分野からも出題される場合があります。
たとえば、「前文」「大日本帝国憲法と日本国憲法」「日本国憲法の成立過程」「天皇の国事行為」などです。

法学は、「法の分類」「法の解釈」が定番です。

専門試験の対策だけで終わりにせず、社会科学の過去問演習もしっかり取り組みましょう。

経済

経済は、ミクロ経済学・マクロ経済学・財政学からの出題です。

出題論点は広いですが、易しい問題がほとんどです。
専門試験と異なり、計算問題は出題されません。

専門試験で対策した後に、出題形式に慣れるため社会科学の過去問演習に取り組むのがおすすめです。

なお、「戦後日本経済史」「近年の金融政策動向」は頻出なので、必ず押さえておきましょう。

政治

政治は、政治学・行政学・国際関係からの出題です。

基本問題が中心ですが、範囲が広く手が回らない可能性があります。
出題数の多い専門試験の対策を優先し、社会科学は過去問演習で出題率の高い論点をおさえましょう。

時事

時事は、特別区の教養試験において重要科目です。
出題数が4問と多く、かつ得点源になりやすいからです。

以前は奇をてらった難問が出題されていましたが、近年は出題されて当然の重要テーマがほとんどです。

参考書を繰り返し読み込み、細かな文言や数字まで意識して覚えましょう。
試験直前からでは間に合わないため、なるべく早く取り掛かり、毎日コツコツと学習するのがおすすめです。

 

【特別区】教養試験の学習スケジュール

特別区の試験本番まで1年間とした場合、おすすめの学習スケジュールはこのとおりです。

試験 4月~12月 1月~4月 5月~7月
教養試験 一般知能
一般知識
専門試験
論文試験
面接試験

★…重点的に取り組む
☆…取り組む

4月~12月

年内は、主要5科目の対策に全力をつくす期間です。

主要5科目とは、教養試験の数的処理、専門試験の憲法・民法・行政法・経済学を指します。
どれも出題数が多く、学習に時間の掛かる科目です。

テキストや過去問題集を何度も繰り返し、問題を読んだだけで解き方が思い浮かぶくらい取り組みましょう。

教養試験の一般知能のうち、文章理解は年明けから対策しても十分です。
苦手な人のみ、年内からコツコツと学習を進めておきます。

1月~4月

年が明けた頃から、教養試験の一般知識の学習をスタートします。

一般知識は科目が多いので、学習する科目を絞りましょう。
おすすめは、時事、社会科学の法律・政治・経済、自然科学の生物・地学です。

あくまでも、主要5科目の学習がおおむね終わっていることが条件です。
主要5科目の復習として定期的に過去問題集を回しながら、並行して一般知識の学習を進めます。

一般知識の学習期間が短いと焦るかもしれませんが、大丈夫です。

一般知識は範囲が広いわりに出題数が広く、コストパフォーマンスがわるい科目です。
手を広げすぎるのはよくないため、これくらいの期間に留めておきましょう。

 

【特別区】教養試験の試験本番の解き方

特別区の教養試験は、一般知能の出題数が28問と多く、もっとも時間の掛かる数的処理は19問を占めます。
2時間の試験時間で全40問を完璧に回答するのは不可能です。

したがって、解きやすい問題を確実に回答し、時間の掛かる問題を後回しにして得点を積み上げることが重要です。

おすすめの回答順番はこちらです。

①法律・政治・経済
②時事
③生物・地学
④現代文・英文
⑤数的推理・判断推理・空間把握・資料解釈

暗記科目は比較的早く問題を解くことができるので、はじめに回答してしまいましょう。

時間の掛かる数的処理は後回しにします。
特に、資料解釈は細かな計算が必要なので、最後に回答しましょう。

また、難易度が高い問題や回答に時間が掛かりそうだと思った問題は、後に残します。
すべて解き終わったら、残した問題に戻って回答します。

このような順番で回答すると、簡単な問題の取りこぼしを防ぐことができます。

 

【特別区】志望区の内定を獲得する秘策

志望区に挑戦するためには、できるだけ上位で合格する必要があります。
なぜなら、特別区は上位合格者から順番に区面接に呼ばれるからです。

上位合格するためには、配点が圧倒的に高い論文試験の対策をしっかりと行わなければいけません。

試験本番で問題文を読んだときに、「はいはい、このテーマね。それなら、こう書けばオッケー」とすぐに思い浮かぶ状態を目指しましょう。

ところが、特別区の論文試験で出題される可能性があるテーマは膨大です。
専門試験の勉強や面接対策もしなければいけないのに、たくさんの論文テーマを自分でゼロから研究して答案を考えていては、時間がいくらあっても足りません。

そこで、活用したいのが「論文の模範解答集」です。

こちらのnoteで、特別区に特化した論文頻出34テーマの模範解答例を公開しています。

【特別区】論文頻出34テーマの模範解答を公開!2024年版|公務員試験*論文解答ライブラリー
*テーマや模範解答は随時追加・修正しています。 *万が一内容にご満足いただけない場合は謹んで返金いたします。 特別区採用試験で出題が予想される論文テーマの模範解答セットです。 特別区の論文試験は、どう対策したらいいか迷いますよね。 教養試験や面接対策など、やらなければいけないことがたくさんある中で、論文対策につか...

出題が予想されるあらゆるテーマをカバーしているので、不足はありません。
また、論文指導のプロが予備校の論文構成に準じて答案を書き、推敲を重ねた良質な答案です。

この模範解答集を読んで必要な知識を効率的にインプットし、模範解答集をお手本にしながら自分で答案を書いてみることで、万全な論文対策が可能です。

これから受験を控える皆さんに、ぜひ活用してもらえると嬉しいです。

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