こんにちは!編集長です。
この記事では、特別区採用試験の専門試験で平均点を上回るための学習法を解説します。
専門試験は、民法や経済学などの学習に多大な時間の掛かる科目が多い試験です。
学習時間を掛け過ぎず、効率的に得点をアップするための学習方法を解説しているので、じっくり読んでくださいね。
【特別区】専門試験の出題科目
専門択一試験の各科目の出題数はこちらです。
法律系 | 憲法 | 5 |
---|---|---|
民法 | 10 | |
行政法 | 5 | |
経済系 | ミクロ経済学 | 5 |
マクロ経済学 | 5 | |
財政学 | 5 | |
政治系 | 政治学 | 5 |
行政学 | 5 | |
社会学 | 5 | |
その他 | 経営学 | 5 |
合計出題数 | 55 | |
合計回答数 | 40 |
全20問のうち12問を選択し、回答します。
教養択一試験と異なり、必須回答の問題はありません。
また、選んだ科目の問題をすべて回答する必要はありません。
いずれの科目も1問や2問を選択して回答することができます。
問題の難易度は、科目や問題ごとにばらつきが見られます。
特に、民法は例年難易度が高いと言われています。
また、憲法や経済学の中にも難しい問題が含まれていることもあります。
問題を選択して回答することができるので、難問には手を出さず、解ける問題を選んで確実に回答することが大切です。
また、ひとつの科目の対策に多大な時間がかかるため、全科目を学習するのはおすすめしません。
科目をしぼって対策をすすめましょう。
【特別区】専門試験の難易度
特別区の専門試験で出題される問題の難易度は、科目や問題によってバラツキが大きい傾向があります。
特に民法は若干難易度が高いとされています。
一方、憲法や経済学は基本問題が中心ですが、中には難しい問題が含まれていることもあります。
問題選択制なので、難問には手を出さないことが重要です。
そして、基本問題を確実に回答できるよう、過去問演習を繰り返しましょう。
【特別区】専門試験の平均点とボーダーライン
特別区人事委員会は、専門試験の平均点などを公表していません。
ですが、予備校による長年の統計的なデータ分析から、専門試験の結果について次のように推測されています。
目標として、平均点の28点(7割)を得点できるよう学習をすすめましょう。
余裕があれば、プラスアルファを目指します。
【特別区】専門試験のおすすめ選択科目
特別区の専門試験の出題科目は多く、全ての科目を対策するのは困難です。
問題選択制なので、学習する科目を絞りましょう。
捨て科目のおすすめがこちらです。
対策にも長い時間が掛かるため、捨て科目の筆頭として挙げられます。
したがって、5問余裕があるため、試験本番では難問を避けて基本問題を選んで回答できます。
その場合は、消去法で社会学と経営学を捨て科目にするしかありません。
【特別区】専門試験の学習法
憲法
憲法は得意な人が多いかもしれません。
特別区の憲法は基本レベルです。
人権から2問、統治から3問の出題が続いています。
人権は判例が中心ですが、長文化の傾向があります。
統治は条文に関する知識が中心です。
いずれも過去問の焼き直しか、他の公務員試験で出題された知識が大半を占めます。
過去問演習を繰り返すことで、5問中4問は得点が期待できます。
違憲判決はすべて覚えておきましょう。
ただし、難問と思われる場合には選択しない判断も重要です。
特に1問目に奇問が出題されて、その後の回答ペースが乱される年がありますので、注意しましょう。
行政法
行政法は、憲法に比べて若干正答率が下がります。
作用法から3問、救済法から2問の出題が続いています。
作用法は条文の知識が大半ですが、判例も少し出題されます。
救済法は条文・判例・通説からバランスよく出題されます。
いずれも、条文は正確な知識が問われるほか、判例は長文化の傾向があります。
憲法と同じく、過去問の焼き直しか、他の公務員試験で出題された知識が大半を占めます。
過去問演習を繰り返すことで、5問中3問~4問は得点が期待できます。
民法
民法は苦手な人が多い科目です。
併願しない場合は、捨て科目にするのがおすすめです。
基本的には、過去問の焼き直しか、他の公務員試験で出題された知識が中心です。
ですが、マイナー分野から出題されたり、マイナー条文・判例が正解になる場合があり、正答率が上下しやすい傾向があります。
難易度の低い問題を確実に得点できるよう、過去問演習を繰り返しましょう。
経済学
経済学は基本問題が多く、得点源になりやすい科目です。
頻出分野は、ミクロ経済学の市場調整過程、マクロ経済学のIS-LM分析や45度分析の計算問題です。
それ以外の分野からもバランスよく出題されていますが、いずれも基本問題が多いです。
また、2年連続して同様の問題が出題されることもあるので、注意が必要です。
まずは、導入テキストから学習をはじめ、ある程度理解できたら過去問演習に取り組みましょう。
財政学
政治学・行政学・社会学
政治学・行政学・社会学は、対策のしやすい暗記科目です。
特別区の問題の難易度は高くありません。
過去問の演習を繰り返すだけで、各科目で3問~4問は得点可能です。
余裕があれば、特別区の過去問だけではなく、都庁の過去問を解いてみましょう。
問題のレベルや出題形式が似ているため、得点力が高まります。
ただし、難問や未見の論点の問題が出題されることもあります。
問題選択制のため、無理に回答しない判断が必要です。
経営学
【特別区】教養試験の学習スケジュール
特別区の試験本番まで1年間とした場合、おすすめの学習スケジュールはこのとおりです。
試験 | 4月~12月 | 1月~4月 | 5月~7月 | |
---|---|---|---|---|
教養試験 | 一般知能 | ★ | ☆ | |
一般知識 | ☆ | |||
専門試験 | ★ | ☆ | ||
論文試験 | ☆ | ★ | ||
面接試験 | ☆ | ★ |
★…重点的に取り組む
☆…取り組む
4月~12月
年内は、主要5科目の対策に全力をつくす期間です。
主要5科目とは、教養試験の数的処理、専門試験の憲法・民法・行政法・経済学を指します。
どれも出題数が多く、学習に時間の掛かる科目です。
テキストや過去問題集を何度も繰り返し、問題を読んだだけで答えが思い浮かぶくらい取り組みましょう。
主要5科目の対策が一段落したら(過去問題集を5周くらい)、暗記科目の財政学・政治学・行政学・社会学・経営学の学習に移ります。
暗記科目は早く対策し過ぎても、せっかく覚えた知識を忘れてしまうので、年末くらいから取り組むのがおすすめです。
1月~4月
年が明けた頃からは、覚えた知識を試験本番まで定着することを重視します。
1日に1科目を決めて、過去問題集を読み込みます。
この頃には、2日程度で1つの問題集を読み終わるスピードがついているはずです。
余裕があれば、都庁や国家一般職などの過去問題集を解いてみましょう。
ただし、あまり手を広げすぎるのは逆効果なので、ほどほどに留めてください。
専門試験の対策に時間を掛け過ぎるよりは、配点の高い論文試験に注力する方が効果的です。
【特別区】専門試験の試験本番の解き方
特別区の専門試験は、基本問題が中心です。
試験時間2時間で40問の回答は、時間的に十分可能です。
出題の順番通りに回答していけば大丈夫です。
ただし、中には難問が出題されることもあります。
難しいと感じたら一度飛ばし、最後に戻って回答しましょう。
また、難問は無理に選択しない判断も重要です。
【特別区】志望区の内定を獲得する秘策
志望区に挑戦するためには、できるだけ上位で合格する必要があります。
なぜなら、特別区は上位合格者から順番に区面接に呼ばれるからです。
上位合格するためには、配点が圧倒的に高い論文試験の対策をしっかりと行わなければいけません。
試験本番で問題文を読んだときに、「はいはい、このテーマね。それなら、こう書けばオッケー」とすぐに思い浮かぶ状態を目指しましょう。
ところが、特別区の論文試験で出題される可能性があるテーマは膨大です。
専門試験の勉強や面接対策もしなければいけないのに、たくさんの論文テーマを自分でゼロから研究して答案を考えていては、時間がいくらあっても足りません。
そこで、活用したいのが「論文の模範解答集」です。
こちらのnoteで、特別区に特化した論文頻出34テーマの模範解答例を公開しています。
出題が予想されるあらゆるテーマをカバーしているので、不足はありません。
また、論文指導のプロが予備校の論文構成に準じて答案を書き、推敲を重ねた良質な答案です。
この模範解答集を読んで必要な知識を効率的にインプットし、模範解答集をお手本にしながら自分で答案を書いてみることで、万全な論文対策が可能です。
これから受験を控える皆さんに、ぜひ活用してもらえると嬉しいです。